B2Bアプリでプロダクトマネージャーが漏らしがちな機能


B2BアプリケーションやSaaSには典型的なパターンがあり、あえて洞察しなくても実装が確定する機能は多くあります。

*優先度は洞察で決まります

この記事では、いくつか見てきた中で、実装までなかなか至らずユーザーにフラストレーションが溜まりがちなものを主に述べてきます。

なおエンジニア向けプロダクトは顧客層が特殊なため除きます。

業務に不可欠系

業務は反復が基本です。

似たものを何度も入力をする手間を避けるには繰り返し入力機能テンプレート機能、以前の作業をもとにしたコピー機能で効率化できます

人は間違えるもの。なにかデータを追加する機能があれば、それに対する修正機能削除機能は必ず発生します。CRUD(create, read, update, and delete)とはよく言ったものです。とにかく戻せるように(undo)。あえて実装しないなら問い合わせフローを考えておきましょう。

全文検索機能

業務は反復が基本です。過去の履歴をもとに、真似して仕事をしたいもの。

そのためには検索が必要です。項目ごとの検索も便利ですが、全項目を一括して検索できる全文検索が一つのゴールです。

考慮点として全文検索は運用コストとエンジニア工数がかかることが多いことが挙げられます。 より柔軟な検索ほどコストと工数が上がる傾向にあります。

漏れがちな背景

toBアプリケーションはオペレーションに密接するためオペレーション業務経験がないと難しいのかもしれません。

管理系機能

enterprise readyという意味でも大事です

アカウント関係

例えばプロダクトの新規導入時や異動の季節には少なくとも数十人単位で登録が必要になり、一括登録機能がないと手が回りません。修正/削除も同様です。修正のためには一括出力機能も必要です。

ビジネスでは複数の部署やチームに所属することがあります。しかし素朴な実装だと一人は一つの場所にしか所属しない制約となっています。 ここで問題なのが、この制約を外すにはアプリケーションおよびデータベースに大幅な改修が発生することです。場合によってはサービスのメンテナンス時間が必要になります。一番最初から対応していれば…となりますが経験がないとなかなか難しい。

監査ログ

ここに大体書いてありますが補足すると

なんらかの不正やセキュリティ侵害を調査する際に行動ログは必須です。いつどこで誰がなにをしたのかトレースできる必要があります。

速やかに特定できるよう、このログだけで完結できるほど特定しやすいことやフィルターできるとよいですね。

人が思うより(小さい)不正は一般的です。わかりやすいのは営業機密の窃盗でしょうか。

仮に機能が存在しないと、膨大なエンジニア工数を使って精度が低いログを毎回急ぎの差し込みで提供する羽目になります。提供方法もファイルなら経路を考える必要があります。

監査ログ機能は運用コストとエンジニア工数が大きくかかります。また、複数プロダクトではインターフェイスを揃える部分が難関です。上記の通り急ぎの需要が発生することがあり、ユーザーから見てプロダクトごとにバラバラでは不都合でしょう。

漏れがちな背景

PdMは日常的に他社サービスを探求していると思いますが、どうしてもtoCが多くなります。個人ではエンタープライズアプリケーションを触る機会はまずないでしょう。仮に経験があったとしても管理機能の操作権限がなくその部分は触ったことがないのではないでしょうか。

社内で利用しているサービスの権限を一時的にもらって操作してみるのが一番ですね

本番でのテスト系機能

ユーザーには直接影響ありませんが…

リリース後や不具合発生時に、本番で検証できるアカウントがあると便利です。

問題は、この本番でのテストユーザーがトラッキングやKPIといった部分に影響してしまうことです。各所共通のテストアカウントフラグと除外設定を準備したいところ。

KPIが歪むほか、テストユーザーの動作によるトラブルが起き得ます。

この件に関してはエンジニアからも提案すべきですがなかなか手が回らずボールが落ちがちです。

デモ機能

ユーザーには直接影響ありませんが…

B2Bだと見込み顧客にセールスまたはマーケティングによるデモを挟むことが多いでしょう。このデモをどのアカウントで行うのでしょうか。本番環境でしょうか?

アカウント準備、シナリオとそのデータ準備、保守が必要です。デモ環境に対するリリースはどのようにすべきでしょうか。開発中の機能をチラ見せしたいこともあれば、デモで使う環境はデモ中は安定していてほしいという。

セールスエンジニアを採用していればある程度設定を任せられますが、存在しないならセールス等が直接スムーズに設定できるようにする必要があります。

その他

アプリケーションのパフォーマンス(速度)改善やサイト解析ツール系の導入、サポート業務に資するトラブルシューティング系機能も現実的には漏れがちです

最後に

海外のSaaSアプリケーションをいろいろ触ってみるのがおすすめです。オンボーディングから差が出ています。 管理系機能実装をまるっとお任せできるようなSaaSもあるので触ってみたり、機能一覧だけでも眺めてみたり、導入したりするのも一案です。